ACTIVITY

過去の事業紹介(2020年度)

10上野(写真)

理事長所信

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基本理念

和 ~輝く個が美しく調和する未来~

基本方針

1.個(ひと・組織・まち)に新たな価値を纏わせる

2.自律と共助の精神でひとと想いをつなげる

3.責任と自覚をもって未来を創る

はじめに

⽇本では古来より「和を以て貴しと為す」という精神が受け継がれてきました。この「和」の精神性は、相⼿を恕すという⽇本固有の道徳観であり、ひととひとを、想いと想いをつなぐことを⼤切にしてきました。

「和」の精神性とは、決して、単純に争いの起きない状態にすること、事なかれ主義を⽬指すことではありません。それぞれがこれまでの経験を⽣かし、ときには想いと想いをぶつけ合い、全員が納得できる物事の本質を導き出すことです。その本質を導き出し、共にあるべき姿を思い描くからこそ、⼀つの⽬標に向かって助け合い、⽀え合いながら進むことができるのです。

この広島というまちは、⼈々の⽣活を考えたデルタの⼲拓、たった⼀発で全てが奪われた被爆からの復興や発展、そして、度重なる⽔害からの復旧活動など、⼈々がまちの未来を共に描き、助け合ってきた歴史を有します。今では、先⼈たちの郷⼟への想いと「和」の精神性により、120万⼈を有する⾃然と都市機能が美しく調和したまちへと発展しました。

私たちには、先⼈たちがこの広島を形作ったように、戦後の復興を⽀えたように、相⼿のことを想い、⽀え合い、受け⼊れる「和」の精神性が受け継がれています。私たちは、想いを通わせ、⽬的を共有したとき、本能的に⼰を律し、共助の精神性が働くはずなのです。

現在、時代の移り変わりとともに、私たちを取り巻く環境や、抱える問題は⼤きく変化し、複雑に絡み合っています。様々な技術⾰新により、あらゆるモノや情報が即座に⼿に⼊る世の中になりましたが、先⾏きが⾒えず、平和を驚かす問題が⼭積しているのは今も同じです。だからこそ、私たち広島⻘年会議所は、変⾰の能動者としての使命を果たし、若い⼒をもっ て、この広島の未来を切り拓いていくのです。

あらゆる分野においての活動の原動⼒は「ひと」にあります。⼈⽣100年時代と呼ばれるほどになった現在、広島⻘年会議所には、その100年後の⼈々を守る未来に向けた持続可能な運動を起こしていく⼒があります。私たち会員⼀⼈ひとりが、未来を創り上げていく責任と⾃覚をもち、「和」の精神性で溢れる真の平和な未来へとつながる⼀年にしていきましょう。

会員⼀⼈ひとりが未来に対する責任と⾃覚をもつ

1100年ごろのある僧侶の⾔葉でこんな⾔葉が遺されています。

“私は世界を変えたいと思っていた”

若いころ 私は世界を変えたいと思っていた。
世界を変えることが難しいと分かり、⾃分の国を変えようと思った。
⾃分の国を変えることが難しいと分かり、私の街を変えようとした。 街を変えることが難しいと分かり、⾃分の家族を変えようとした。
年を取った今、 私が変えることができるのは、⾃分⾃⾝だけであると分かった。
もっと前に⾃分⾃⾝を変えていれば、私の家族に影響を与えることができた。

そして、私と私の家族は、私の街に影響を与えることができた。
その影響は国を変え、本当に世界を変えることができたのかもしれない。

私たちは、変⾰の能動者として、修練・奉仕・友情のJC三信条を基本に、明るい豊かな社会の実現に向けて活動をしています。⾃分以外のひとやまちに何らかの変化を与えるには、まず、⾃分⾃⾝が変わることが必要なのです。

⻘年会議所には、相互成⻑機関として、⾄るところに意識変⾰を図る機会が溢れています。この機会というのは、偶発的に⼿に⼊る「Chance」ではなく、⾃らが掴みに⾏く「O pportunity」であり、⾃らがその機会を掴みに⾏けば、必ず成⻑があるのが⻘年 会議所です。⻘年会議所で得られる「ビジネスの機会」「個⼈の機会」「地域社会の機会」「国 際性の機会」の4つの機会を逃すことなく活動すれば、その成⻑は周りの⼈々に影響を与え、家族を変え、会社を変え、やがては、まちの未来を変える⼒となるはずです。

私たちは、毎年変わる役職の中で、この広島のまちに寄り添い、リーダーシップとフォロワーシップを発揮し、⽇々活動しています。リーダーや、フォロワーというのは、誰かがリーダーを演じて、他の⼈がフォロワーを演じれば良いということではありません。どんな役職の⼈でも、ある側⾯ではリーダーであり、フォロワーでもあるのです。互いに尊重し合い、⾃律と共助という「和」の精神性をもって活動することができれば、それは単なるグループではなく、共通の⽬的をもつ⼀つのチームとなるのです。そして、チームの⼀⼈ひとりがこの⻘年会議所で互いに個々の⼒を⾼め合えば、さらに⼤きな⼒を⽣み出すチームとなるでしょう。

私たち⼀⼈ひとりが未来を変えることができるチームの⼀員としての責任と⾃覚をもち、あらゆる機会に挑戦していきましょう。そして、会員が相互に成⻑を図る組織になれば、こ の広島⻘年会議所は必ずまちから信頼のされる魅⼒に溢れた組織へと変貌を遂げるはずです。

魅⼒に溢れ⾃信に漲る強固で信頼ある組織へ

この⼀般社団法⼈広島⻘年会議所が創⽴されたのは、戦後の⽖痕が残る1950年9⽉16⽇、まだ連合国軍の占領下にあったときでした。「郷⼟と商⼯業の復興発展は我々の⼿によって成し遂げる」と誓い、⽴ち上がった24名の若き⻘年によって、前⾝となる廣島商⼯⻘年協議会として発⾜されました。戦後様々なものを失い、⾃分たちの進むべき道もわからぬ混沌とした社会の中、この広島の「今」という未来を思い描き、切り拓いてこられました。

創⽴以来の70年という歴史は、⼈々を取り巻く環境が⼤きく変化する中、その変化に柔軟に対応し、まちやひとの抱える諸問題に適切な課題を打ち⽴て、正⾯からその課題に挑戦し続けてきた歴史でもあります。そして、40歳までという若き⼒によって展開してきた数々の運動は私たちの誇りとなり、規律と伝統からなる強固な組織⼒と実⾏⼒を伴ったまちや市⺠からの厚い信頼がある組織になりました。

もはや戦後ではないと⾔われ、豊かになったかのように⾒える現代でも、この広島の抱える問題は多様に変化し、複雑に絡み合っています。そして、⾏政や私たち⻘年会議所だけではなく、より良い世の中の構築を⽬指して、公のために尽⼒する団体が数多く存在しています。私たち⻘年会議所は「和」の精神性をもって各諸団体と連携を図り、これからも、変化し続ける時代に挑戦していかなければなりません。

そのために、若き⼒を保ち時代に即した運動を展開していくこと、より多くの賛同者を得て連携を図ること、会員⼀⼈ひとりがこの会を代表するスポークスパーソンとしての意識をもつこと、掲げる未来像のために恐れず変化していくことなど、⼀つひとつを積み重ねていく必要があります。

私たちは活動をしていく上で、会社や家族、特別会員の皆様など様々な⽅に⽀えられています。私たちが明るい豊かな社会の実現に向けてまちのため、ひとのために活動をするということは、その会社や家族、様々な⼤切な⼈を守るためであり、それが⾃分のためにもつながるのです。

2020年度は創⽴から70周年という節⽬を迎え、これまでの歴史を創り上げていただいた先⼈たちへの感謝と、少し遠い未来を思い描く機会となります。この素晴らしい機会に、時代とともに変わってしまったこと、変えなければならないこと、決して変えてはならないことなど、「和」の精神性で広島⻘年会議所のあるべき姿を追求していきましょう。そして、多くの⽀えを⾃信に変え、プレゼンスと価値を⾼めていくことで、各諸団体やあらゆる市⺠と共に協働する社会を⽬指す魅⼒ある組織へと進化していきましょう。

あらゆる市⺠が夢に向かって挑戦できる真の平和な未来へ

この広島という地は、厳島神社、原爆ドームという2つの世界遺産に加え、恒久的な世界平和を想う地として、国内だけに留まらず、世界各地から⼈々が訪れるまちとなりました。現在では、観光客だけではなく、少⼦⾼齢化に伴う労働⼒の確保や外資系企業の参⼊等により、多くの外国⼈がこの広島に住んでおり、今後ますます増加していくことが予想されます。

このような中、広島が抱える様々な課題と向き合っていくためには、同じ社会を構成する者同⼠が当事者意識をもち、協⼒し合っていかなければなりません。⽇本⼈、外国⼈というくくりや、若年者、⾼齢者というくくり、健常者、障害者というくくりで分かれていては問題を解決していくことができないのは明⽩です。

しかし、様々な⼈種、思想、個性をもつ⼈々が集うこの広島は、それぞれが考える「明るい豊かな社会」「平和な世の中」にも違いがあるはずです。そのどれもが間違いではなく、それぞれが理想とする未来を思い描き、誰もが選択し、挑戦できる社会を構築していく必要があります。

未来を描いていくためには、まず、何をゴールとして定めるのかが重要になります。広島⻘年会議所では、2015年度に策定した「HIROSHIMA JC VISION 2020」で掲げたSUPER CITY HIROSHIMAの先導者となることを⽬指しています。そして、世界では、2015年に国連で採択された持続可能な開発⽬標(SD Gs)により、国連加盟国を中⼼に、誰⼀⼈取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向けて様々な取り組みが⾏われています。これらの取り組みのように、まずゴールを定め、それに向かって何をしていかないといけないか、具体的な⼿法を導き出し、実⾏に移していく必要があります。

そして、これまでの歴史を分析し、時代がどのように変化しているのかを⾒定めないといけません。単純に改元されたから、というわけではなく、仕事や暮らし、私たちを取り巻く環境がどのように変わってきたのかを読み取らなければなりません。

変化とは、全てが良いことばかりではありません。これまでの時代で当たり前と考えられていた思想や価値観にも当然変化が起こります。IT化やグローバル化による影響だけでなく、少⼦⾼齢化、核家族化、地域コミュニティの希薄化など、様々な問題が複雑に絡まり合い、社会のあり⽅、ひとが⽣き抜いていくために必要な⼒など、多くのことが変化していくことでしょう。

しかし、問題が複雑に絡み合うように、解決に導いていく⽅法も⼀つではありません。⾝近なたった⼀つの⾏動が様々な問題解決への起点となり、未来を動かす⼒になるのです。私たちには、⼦供たちの未来を守っていく責任があります。だからこそ、私たち⻘年会議所は、「和」の精神性をもって、熱い議論を交わし、市⺠を先導していくのです。

この広島というまちの現状を知り、あらゆる市⺠が、それぞれの理想とするゴールを選択し、挑戦し、活躍できる真の平和な世の中を⽬指して、相互に連携し、能動的にまちづくりに参画していくことができる持続可能な社会を構築していきましょう。

おわりに

⼈は「虹」を⾒つけたとき、少し幸せな気持ちになれる。

何の変哲もないただの⽔滴の集合体でありながら、そこに光が射しこんだとき、そのひとつひとつが光を纏い輝きだす。全ての⾊を含みながら美しく調和したその姿は、この世界で唯⼀無⼆の存在となり、⼈々に希望や幸運の象徴となる。

近づき過ぎると何も⾒えず、光の射す先を⾒定めないとその姿は⾒えない。太陽の光も降り注いだ⾬も全てが尊く、奇跡を起こす糧となる。時間が経つと薄れ、やがて消えていく光の帯は、⼀筋の光によって何度でも甦り、あらゆる⼈々の⼼を動かす無限の可能性を秘めた未来へとつながる懸け橋となる。

100年後の少し遠い未来を想像してみてください。
広島に住むあらゆる市⺠が相互に助け合い、まちのことに真剣に向き合っていますか? あらゆる⼈々が⾃分の夢を選択し、それに向かって挑戦し、活躍できていますか?
たくさんの⼦供たちが笑顔に溢れ、⼼穏やかに過ごせていますか?
私たち広島⻘年会議所には、未来を創る⼒があります。これまでの歴史に感謝し、⽇本⼈が⼤切にしてきた「和」の精神性で、未来へとつながる新たな歴史を共に刻んでいきましょう。

2020年貸借対照表(PDF)

過去の事業について

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